Published in Nippon Camera, April 1988
Category1980s
深瀬昌久『狂、礼文島。』(「流行写真」1985年8月)
◉こちらを向いて全員笑っている。北海道の北端にある美深町の深瀬写真館で四十年昔に使っていた、ガタガタの八ッ切りアンソニー写真機のピントグラスに、深瀬家一族が逆さになって笑っている。年老いた父母、弟と妹の一家、死んでしまっ
深瀬昌久『歩く眼《二》』(「日本カメラ」1983年11月号)
東京都の5万分の1の地図が壁に貼ってあって、歩いた所を赤いボールペンで潰していく。蛇行する線は川筋で、水源から河口まで長い川もあれば、短い川もあり、今まで12の川を歩いた。「神田川」、石神井川」、「呑川」、「仙川」etc
深瀬昌久『久し振りの多重露光 だが、一回きりにしようと思う』(「カメラ毎日」1980年3月号、撮影記「烏・夢遊飛行」)
かねてから興味あるアメリカ写真家の一人だったJ・N・ユールズマンの個展が、昨年10月に私の母校日大芸術学部で開かれたので見に行った。彼の写真はすべて暗室の合成技術によって作られたもので、私には写真そのものよりも、そのマ