WORKSHOP寫眞學校 入学案内書(1975)

深瀬昌久

 世の中シラケて面白くもないので、〝私が写真である、そして世界は写真のように謎に満ちている〟などと面白がって、他に出来る商売もなさそうなので、一生懸命写真をうつしている。

 ぼくは田舎の写真屋に生れたために、氷酷酸で産湯をつかい、三つのガキの頃から、現像焼付引伸し、修正からスポットに至る迄ゲップの出るほど叩き込まれた「天才一災写真師」だが、惜しむらくはサービス精神に欠けるところがある。

 ぼくは「西瓜」と「するめ」が好物だ。
 写真は「するめ」だ。
 「西瓜」は世界だ。