世界一ピュアな 伝説のパパラッチ小僧

〝Take Our Photo!〟

一番左のファラ・フォーセットは、70年代に放映されたテレビドラマ『チャーリーズ・エンジェル』に出ていて、当時爆発的な人気を博していた。その隣のライアン・オニールも当時、映画『ある愛の詩』に出演して大人気だった。2人は当時、恋人だったんだ。ライアンの隣りは彼の息子グリフィン・オニール、そして娘のテータム・オニールだ。テータムはその後、アカデミー賞を獲るほどの有名な女優になった。
1980年にローリング・ストーンズのコンサートがあってね。その時たまたまストーンズの楽屋にいたライアンを見かけて、声を掛けたんだ。写真を撮らせて欲しいとね。ライアンは「ダメだ」と言って一度は立ち去ったんだが、なぜか戻ってきて、こう言った。「私は生まれて初めて、カメラマンに写真を撮ってもいいかと訊かれた。あなたが初めてだ。だから撮ってもいいよ」と。それで撮らせてもらったのがこの1枚だ。
実はこれ、このファミリーを撮影した初めての1枚なんだ。当時はスクープとして世界中の雑誌に掲載された。その後2人は別れたんだが、後日談がある。僕がロスで写真展をした時、或る人がこの1枚を買ってくれた。そしてそれを、当のライアン本人にプレゼントしたらしい。すると彼は泣き出し、こう言ったそうだ。「この時が1番幸せな時だった」と。そういうストーリーのある1枚なんだよ。
当時、友人カメラマンも同じ会場にいて、彼らはストーンズのコンサートの方を撮っていた。彼らが撮った写真はもう完全に忘れられているが、この1枚は永遠に残る。特にファラはガンで亡くなってしまった。なお一層、この1枚の価値は他と替え難いものとなっていると思う。