世界一ピュアな 伝説のパパラッチ小僧

現在は〈パープル〉誌でフォトグラファーのサンディー・キムとハングアウトしている様子が時々垣間見れる辺り、ブラッドは57歳を数える今でも、心はティーネイジャーなのだろう。永遠のパパラッツォ小僧、ブラッド・エルターマン。彼が来日したタイミングで、古き良き時代の写真にまつわる逸話の数々を聞いた。

〝There’s A Sex Pistol In My Pool!〟

——ビートルズ、ラモーンズ、デヴィッド・ボウイ、マイケル・ジャクソン……。蒼々たるメンツの70年代が記録されているけれど、よくもまあこれだけ撮れたね。
ああ、そうだね。いま振り返ってみると、これは貴重な記録なんだよ。というのも、こんな風にセレブやミュージシャンの写真を撮ることはいまじゃ絶対にできないからね。なぜかって? いまはどの有名人にもパブリシスト(広報)がついていて、彼らを撮るためにはパブリシストの許可が必要だからさ。
当時はそういうのが全くなかった、だから自由に撮れたんだ。そういう意味でも当時の記録として価値があるんじゃないかと思っているよ。
〝The Day I Shook The Hand Of Bob Dylan〟

——ブラッドはパパラッチ写真家を名乗っているけれど、あなたの写真にはパパラッチ写真独特の「いやらしさ」がない。これだけの著名人たちが、優雅で心地良いプライベートの時間を過ごしている瞬間を切り取っているかのようだ。どういう思いで撮ってきたの?
実は今やっている写真通信社「バズフォト」は、私が興した3つ目の会社なんだ。前の2つは、業界最大手「ゲッティ イメージズ」(以下、ゲッティ)に売却した。そしてバズフォトを始めようと思った時、或ることを心に誓った。それは、被写体となる人々が嫌がることはしない、ということ。