風雲現代刺青伝

——どうして小説家に転身したんですか?

職を失い、なにかやらなきゃという時、これだけタトゥー入ってるし、50を超えた年齢ではなかなか新しい仕事に就くのも難しいかなと。昔の趣味を活かし、作家に転身しようと。仕事としてやっていくからには、世の役に立ちたい。だから書くことで人に感動を与えたり、色々な考え方を提示していく、といったことをやっていきたいです。

——教育の現場で働いてきたこと、刺青、そして現在の作家業。3つの世界を歩まれてきたなかで、一貫して思うことは?
全身にタトゥーをしているといっても、あくまで自分は自分。刺青があることを理由に自分自身を曲げてしまわないように、というのはありますね。実際、刺青を入れたことによる社会的代償は大きいです。でもだからといってタトゥーを恨んだり、自分を卑下することは絶対しないようにしようと思っています。
——それでも一歩外に出ると、他人の視線からは逃れられない。そういった人の反応をどう受け止めますか?
やっぱり綺麗ですねと言われたら嬉しいし、気持ち悪いと言われたら悲しいし、寂しくなりますね。特に子どもなんか、思ったまま言いますから。「わー、すごーい!なにあの人、気持ち悪ーい!」とかね。だから子どもには見せない方がいいかなと思っています。
自分も小さい時に銭湯で見て憧れちゃったタチですけど、自分で判断ができるようになる年頃まで、つまりちっちゃい子どものうちにカッコいいとか綺麗とか感じさせることで、後々の人生判断を決定づけてしまうようなことは、しない方がいいと思いますね。


高村さんと私。右の掌に彫られたピッコロを見せてくれた

——全身に彫ったことを満足してますか?
そうですね。自分自身、これだけ彫っちゃって、刺青のない人生に比べればたしかに苦労はしましたけどね。ある意味、あまり幸せじゃなかったかもしれないけど、自分としてはこの人生そんなに悪くはなかったかなと思っています。子どもの頃からやってみたいという衝動があって、その夢が叶っちゃったわけですから。
——亡くなったあとも自分の皮膚は残したいですか? それとも燃やしたいですか?
一時期は残したいと思ったことはあったんですけど、人間はいつか亡くなるものだから、もうきれいさっぱりなくしたほうがいいかなと思ってます。写真なんかで残りますからね。やっぱり人間は、死んだら土に還るのが自然かなと思います。
高村裕樹
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@maru31008_n