風雲現代刺青伝

——全身に刺青を彫る、という経験は決して誰しもに出来ることではないと思います。それだけ強烈な衝撃が、刺青との出会いにあったのではないかと思うのですが。
高村裕樹:最初に興味を持ったのは小学校の入学前くらいです。昔は銭湯なんかへ行くと、刺青を背負った人が時々いました。今では銭湯でも「入れ墨の人お断り」という注意書きは多くなりましたけど、当時はそういうことが全くなかった。
最初は、消えない絵具で絵を描いてるのかな、と思っていたんです。綺麗な絵だから、自分も描いてみたいなとか思ったりして。それから小学生高学年になって、あれが針で刺して出来た絵で、一生消えないものだと知ってからは、ますます神秘さを感じるようになって。そういった憧れから始まって、徐々に変身願望みたいなものになっていきました。


普段はこの格好にファンデーションでタトゥーを隠し日常生活を送る

——変身願望というと、ヒーローとかそんな感じですか?
ヒーローというより、動物への変身願望ですね。例えば鳥になって空を飛んでみたいとか、犬になって大地を駆け回ってみたいとか。魚になって水の中を泳いでみたいとか、そういう変身願望ですね。
でも小学校高学年の頃にはテレビで『ウルトラマン』もやっていたので、怪獣になって暴れ回ってみたい、といったのもありましたね(笑)。でも実際変身するのは無理だから、せめて身体を綺麗に飾ってみたいなと思うようになっていきました。