〈後編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る

地下空間への入り口に足を踏み入れると、螺旋階段が闇へと伸びていた

「近ごろ、中国政府は地下室や合同賃貸物件、あるいは仕切りマンションの実態を細かく調査している。新規定では、一人当たりの居住面積を5平米以上にすることが義務づけられた。これを実際にクリアするのは難しいことだ。なにも好んで地下に暮らす人はいない。収入などの理由で、そうしなければならないだけなんだ」
長くどこまでも続く地下通路。こうした廊下はかつての中ソ衝突がきっかけで生まれた歴史の遺物だ

「政府は資金を投入してこの問題を解決しようとしているが、毎年何億元を投資して多くのアパートを建てても、手に入れられるのは結局のところコネを持った人たち。そうして手に入れたアパートは又貸しされているのが現実だ。これは中国だけの問題じゃなく、他の国でも横行している権力による汚職が問題の根底にある」
中流階級の人々が暮らすアパートが軒を連ねる。その地下にも人が暮らしているとは誰が想像するだろうか