世界一ピュアな 伝説のパパラッチ小僧

Interview and text by Tomo Kosuga
[初出掲載:VICE.com日本版 2014年1月]

パパラッチ——。正直、あまりいい響きの言葉じゃない。そういうイメージが根づいたのも、90年代にダイアナ妃がパパラッチの執拗な追跡によって帰らぬ人となってしまった事件は大きかっただろう。
金さえ手に入るのなら、人様のプライベートなんてお構いなし。世界中どこまでも追いかけて、時には人を死にも追いやる……。まさしく人間のクズと言ってもいいパパラッチ業界において、例外とも言えるほどジェントルマンな人物がいる。

〝Brooke Shields and Gene Simons KISS〟

彼の名はブラッド・エルターマン。どんな著名人を眼前にしても、心のカーテンを開けてしまう凄腕のテクニシャンだ。いまでこそ第一線から退いているが、70年代に16歳の時分からキャリアをスタートさせ、音楽業界、映画業界の大物を前に、なんともリラックスしたパパラッチ写真を残している。
というか、ブラッドの写真はパパラッチであり、パパラッチじゃない。有名人を待ち構えるところまではパパラッチだが、いつも笑顔で人懐っこいブラッドは出会ってからのコミュニケーションで瞬時に関係性を築き上げる。結果、出来上がるものはパパラッチ写真を超えているというワケ。ブラッドのパパラッチ写真は、まさしく70年代のエネルギーを正面から受け止めた時代の記録だ。

風雲現代刺青伝

Interview and text by Tomo Kosuga & Nuri Yosh
[初出掲載:VICE.com日本版 2014年1月]

話は唐突だが、「男子皆黥面文身」という一文をご存知だろうか。男子は大人と子どもの区別なく、誰もが顔や体にいれずみをしていた—。これは中国の歴史書『魏志倭人伝』(三国志魏書東夷伝倭人条)にある一節である。時は3世紀末、弥生時代の最中にあった日本列島を、西晋の陳寿という人物が訪れた。そこで出会った男たち(倭人)の全身に彫られた刺青を、陳寿は「男子皆黥面文身」と記しているのだ。
日本の歴史を振り返れば、古くは縄文時代まで遡れる刺青文化。社会的地位や宗教的側面から、かつて刺青は身体装飾として重宝されていた。しかし時は江戸時代を迎え、犯罪者の腕に前科の証拠として刺青を入れる「入墨刑」が普及。加えて現代では暴力団関係者が組織帰属のシンボルとしたことで、すっかり〝反社会〟の色が強くなった刺青。そのためだろうか、ここ日本では刺青を入れるにしても、服の下という暗黙のルールがあるほどだ。
かつての倭人に見るような「黥面文身」はもはや文献だけのものかもしれない。そう信じる人も少なくないはず。今日紹介する男の存在を知るまでは……。

作家、高村裕樹(たかむら ひろき)さん。今年56歳になる彼は、2010年に小説『宇宙旅行』で作家デビュー。これまでに4冊の本を出版している。現在は最新作『刺青師牡丹』がタトゥーの総合情報サイト、タトゥーナビに掲載されている。ただしそのこと以上に高村さんを特徴づけるのは、全身に隙間なく彫られたタトゥーの数々だ。

VICE Photo Issue 2013 | 田附勝 × KYOTARO

今年11月に限定配布したVICEマガジン『フォトイシュー』日本版から、寄稿作家の田附勝氏、KYOTARO氏がコラボ作品を語る。制作期間、実に半年! 満を持して公開されたコラボ作品2点の秘話を徹底解説。
2013年のVICEマガジン『フォトイシュー』、特集内容は『アーティスト・コラボレーション』。世界から集まった全30名のアーティストが織り成すスペシャルなコンテンツが凝縮された本号。発刊から数日で街から消え去った貴重な本誌は、如何にして生まれたのかー。

VICE Photo Issue 2013 | 中島大輔 × 小田島等

今年11月に限定配布したVICEマガジン『フォトイシュー』日本版から、寄稿作家の中島大輔氏、小田島等氏がコラボ作品を語る。美男子と海洋生物の絡みに潜む、意外なテーマとは……!?

2013年のVICEマガジン『フォトイシュー』、特集内容は『アーティスト・コラボレーション』。世界から集まった全30名のアーティストが織り成すスペシャルなコンテンツが凝縮された本号。発刊から数日で街から消え去った貴重な本誌は、如何にして生まれたのかー。

本号コントリビューターのうち、ここ日本から参加のアーティストに制作過程を語ってもらった。

【VIDEO】北京の蟻と鼠は大成を夢見る

中国で新型ワーキングプアが問題だ。高学歴だが劣悪な環境で共同生活する「アリ族」、薄暗い地下空間に生きる「ネズミ族」。華々しい発展の裏で広がる、若年層の貧困。都会を憧憬し訪れた若者はなにを思い、どんな暮らしを送るのか—。VICEトモが北京の地に赴き、現地調査に乗り出した。

〈後編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る

Text by Tomo Kosuga
[初出掲載:VICE.com日本版 2014年1月]

中国の首都・北京に赴き、高学歴ワーキングプア「アリ族」の実態を垣間見た我々は、アリ族に続く新型ワーキングプア「ネズミ族」の姿を追って、取材を続行した。 「ネズミ族」—。2010年頃から中国国内で囁かれるようになった「地下住人」を指す造語だ。彼らは太陽の光も届かない薄暗い地下で、ネズミ同然の生活を送っているという。その数、北京市内だけでおよそ100万人。北京市の人口が約2000万人であるから、北京人の1/20が地下で暮らしていることに。

北京の街ではそびえ立つ高層ビルの地下に無数の防空壕が広がる

100万人が地下に暮らす都市—。まるでSFのようで信じられないかもしれない。また、それだけ夥しい数の人を収容できるだけの広大なスペースが北京市の地下に広がっているのも驚きだ。果たして北京の巨大地下空間、いかにして生まれたのか?

〈前編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る

Text by Tomo Kosuga
[初出掲載:VICE.com日本版 2014年1月]

中国でいま、若者が「アリ」や「ネズミ」と呼ばれていることをご存知だろうか。
事の発端は2009年。1980年生まれの若手研究者・廉 思(リエン・スー)が北京郊外の唐家嶺を訪問した。そこで暮らす大学卒業生たちが、狭い部屋をルームシェアで借り、独立したキッチンやトイレがない一方、インターネット環境だけは整備されているといった特徴を見出した廉 思。知能が高く、弱く小さく、群れで暮らす様子から、彼らを「蟻族」と命名した。廉 思はこの時の記録と分析を著作『蟻族』にまとめ、本書は2009年のベストセラーとなっている。

2012年には『蟻族の奮闘』という名で連続ドラマが放映され、続く2013年には映画化もされた蟻族。中国を代表する中国語辞書『現代漢語詞典』第6版には〝オタクの男女〟を意味する「宅男・宅女」や短文投稿サイト「微博」(ウェイボ)などと共に「蟻族」が新語として盛り込まれるなど、現代中国の社会現象を象徴するキーワードとして知られる。
北京で10万人、中国全土では100万人いるとされる蟻族。なぜ高学歴を持つ若者がいま、過酷な生活を強いられているのか—。中国は北京の地を訪れ、急速発展を遂げる中国社会の影を追った。

VICE Photo Issue 2013 | 新田桂一 × 駕籠真太郎


今年11月に限定配布したVICEマガジン『フォトイシュー』日本版から、寄稿作家の新田桂一氏、駕籠真太郎氏がコラボ作品を語る。新田氏が幼少時代から続ける「セルフポートレート」と、駕籠氏が手掛ける「特殊似顔絵」を組み合わせると……!?
2013年のVICEマガジン『フォトイシュー』、特集内容は『アーティスト・コラボレーション』。世界から集まった全30名のアーティストが織り成すスペシャルなコンテンツが凝縮された本号。発刊から数日で街から消え去った貴重な本誌は、如何にして生まれたのかー。
本号コントリビューターのうち、ここ日本から参加のアーティストに制作過程を語ってもらった。