現代の女性たちにかぐや姫の自由奔放さを見るインベカヲリ★

『社会の窓』(2008年) Copyright © Kawori Inbe

——ビッチ臭と言えば、この本にも入っている1枚『社会の窓』(2008年)。当時インベさんが興奮した様子で「これが今の私のベストショットです!」って言っていたじゃないですか。でも僕にとってはこれが違和感の塊だったんですよね。

これがまた、男ウケが悪いんですよ。姫野さんが印刷所の人に「これを表紙にするのはどう?」って意見を聞こうとしたら、あっちが絶句したみたいで。大橋さんの『そこにすわろうとおもう』を印刷した人たちがどうしてこれに言葉を失うのか、不思議で不思議で(笑)。
私の周りでも昔からこの写真は抵抗を感じる人が多いんです。多分、みんなパンツ被ったことがあるんじゃないかな。思春期に被った忌まわしい記憶が蘇るんじゃないかなって。

『記録的な子』(2009年) Copyright © Kawori Inbe

——あの1枚って、挑発しているのか、それとも誘惑したいのか、あるいはフザけているのか分からないじゃないですか。その一方で、モデルの子たちは素の自分をカメラにさらけ出すことを恐れていない。なんというか、情念を超えた情動を感じて、つい目が離せなくなる。

何かを主張したいって気持ちの根本には「怒り」があると思うんです。実際、私もそうですし。
——えっ、そうなんですか? いつもインベさん笑ってるのに!
人って生まれた時からすでに、他人から求められる理想像があるじゃないですか。私は女子高生ブームの時代に思春期を迎えた。するとメディアから「こういう服を着て、こんな買い物をして、こういう番組を見るのが女子高生」っていう、なにか見えない圧力があるんですよね。