現代の女性たちにかぐや姫の自由奔放さを見るインベカヲリ★

Interview and text by Tomo Kosuga
[初出掲載:VICE.com日本版 2013年12月]

写真界の超新星、インベカヲリ★が今年11月、初の写真集『やっぱ月帰るわ、私。』を赤々舎より刊行した。本書に収録された全92枚の写真は、インベが2001年から撮り溜めてきた膨大な写真群から選び抜いた女子ポートレートだ。

インベカヲリ★初の写真集『やっぱ月帰るわ、私。』(赤々舎 刊)

「ポートレートは鏡。それはあなた自身である」——。ドイツ写真の第一人者、アウグスト・ザンダーがそう語ったかどうかはともかくとして、1822年の或る日、フランスの地でニセフォール・ニエプスがボトルやグラスの並んだ食卓を半日かけて撮った1枚から始まった写真技術が、古くは紀元前1世紀のミイラ肖像画まで遡れる肖像画の長い歴史を緩さぶったのは歴然たる事実。
それまでの時代ではおよそ本人の人相とは似ても似つかない美形男女の肖像画が自画像として認められたのだから、晩年の皺くちゃ顔をしたエリザベス1世や突き出た顎のマリー・アントワネットは写真技術が誕生する前に生まれてさぞかし安堵のため息をついていることだろう。