サイケデリックなドラッグ仙人のワナ

——そこから、いまのテイストに至るまでにはどんな経緯があったのかな?
22年も前のことだからそんなに覚えてないけど……そうだな、18の頃は春休みにフロリダのパナマビーチまで遊びに行った。そうなるとコカインやアシッドをキメるだろ? すると、どうしてもラリーみたいな写真を撮ってしまうんだ。だから、その後はドラッグもほとんどやらなくなった。
そういう意味では、その頃が作品としても切り替わりの時期だったのかもしれない。その後はアーティストとして、写真に真っ向から向き合いたいと思うようになったんだ。

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『Goodnight Flowers』

——次は、今回の展示について。写っている被写体は、人、動物、風景、建物なんかだ。それぞれには直接の関係性はないように見えるから、具体的なテーマがなかなか見えてこない。コンセプトが潜んでいるとしても、これではあまりに散漫な印象を受けた。にも拘わらず、全体的な調和もとれてるように見えるし、なにより眺めていて居心地がいい。ロー、キミは一体どんなトリックを使ったんだい?
このプロセスというのは、自分で編み出したんだ。それまでよくやっていたのは、或るテーマや論理に沿って写真を撮るといったことだが、そのやり方では詰まってしまってね。そこでどうにかこうにか、自分を解き放つすべを模索した結果がこれだった。
つまり、無理に方向性を決めるのではなくて、自然な成り行きで作品作りをする。そういったやり方だね。それから色んな写真の組み合わせで展開しているのは、別にブルジョア階級にショックを与えたいとか、そういったやましい魂胆があるわけじゃなくて(笑)。単に、バランス良く見せたくてそうしてるだけなんだよ。
——じゃあ、キミの作品全般における普遍的なテーマとは?
友人のジョン曰く、 「アバンノーマル」らしいよ。つまり、アバンギャルドだけど普通、普通だけどアバンギャルド、みたいな感じかな。自分でもそれはしっくりくると思ってる。
——キミの作品に対する反応はどんな感じ?
ニューヨークで2008年9月に個展を開いたんだけど、その時はみんな興味を持ってくれたね。たしかに僕のミックスされた写真を観ると、最初こそ不思議に感じるみたいだ。だけど写真の流れや組み合わせ方を咀嚼していくうち、だんだんと一貫したムードや考え方が理解できるみたいだよ。
個展でも最初はみんな戸惑っているけど、そのうちみんな理解してくれてすごく気に入ってくれる。